鹿は角が生え変わることで有名な動物です。
日本ではニホンジカやエゾジカといった鹿科の仲間、海外ではヘラジカやトナカイ、サイも角が生え変わる動物ですね。
そもそも鹿の角が生え変わるのはなぜなのでしょうか?
そして鹿の角が生え変わるのは一生に一度ではなく、毎年生え変わります。
今回の記事では、鹿の角が生え変わる理由と、生え変わり期は痛い・かゆいのかについて調査していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
鹿の角の生え変わりはなぜ?
鹿の角が生え変わる理由は、身体の成長に合わせて立派な角を作り変えるためです。
ニホンジカやヘラジカなどの鹿科の動物は、年に1度、春先に必ず角が生え変わります。
古い角を落とし、新しい角が生える現象を「落角(らっかく)」と言います。
鹿の角はオスだけが持つ特有の武器であり、秋の繁殖期になるとメスを争ってオス同士の戦闘にこの角が活躍するのです。
繁殖期になると、鹿のオス同士が角を激しく突き合わし強さを競います。
鹿にとっては命懸けの闘いのため、激しく突き合った際に角が傷ついたり、折れてしまうこともあります。
闘いでボロボロになってしまった角を、翌年の繁殖期に備えて新しく立派にする必要があるのですね。
鹿の角の生え変わりの時期はいつ?
鹿の角の生え変わる(落角する)タイミングは、繁殖期が終わり落ち着いた春先です。
春の季節のどのタイミングかは個体によってもさまざまですが、
群馬サファリパークの鹿観察記録によると、新しい角が早く完成する年上の鹿から落角していく傾向にあるそうです。
歳を重ねるほど、落角も早くなるということですね。
技を極める職人のようですね。笑
東京の上野動物園では、飼育しているエゾジカの落角の様子を公式Xで発信してくれています。
「シカの角落ちるまで観察してみた」とハッシュタグもつけられていて、
飼育員さんが毎日こまめに観察し、いつ落角するのかを写真付きで投稿してくれているので、
その場にいるかのように画面越しで観察できるのでとても面白いです!
私もこの投稿を見て、いつ落角するのかワクワクドキドキしながら見ていました。
実際に野生化で落角する瞬間を見るのはかなり難しいです。
私も10年以上自然ガイドとして森で鹿を見る機会はあっても、落角の瞬間に遭遇したことは一度もありません。
森の中に落ちている鹿の角を見つけた事はありますが。笑
なので、落角の瞬間が見られるのはとても貴重だと思います。
鹿の角が落ちるところを見てみたいという方は是非チェックしてみてください。
こちらにも上野動物園の公式Xの投稿を載せておきますね。
鹿の角の生え変わり期は痛い・かゆいのか?
鹿の角の生え変わり期は、痛みはあまりなく、かゆみはあると言われています。
成長し完成した鹿の角には神経が通っていないため、角が切られても痛みはありません。
鹿の角が落ちる瞬間は、角の根本である角座(ツノザ)からポロッと自然に落ちます。この時に角座から血液が垂れて痛そうに見えるのですが、痛みはほとんど感じないようです。
その後、新しい角が生え始めると、「袋角(フクロヅノ)」と呼ばれる幼角になります。
袋角の表面は皮膚と産毛で覆われていて、中には血液が勢いよく流れています。
そのため、幼角に時期に触ると温かく、柔らかい感触をしています。
その後、角の成長がストップする頃に袋角が破れ始め、白い硬い角が完成します。
この時期はかゆみがあるようで、袋角の表面を擦るかのような仕草がよく見られます。
公益財団法人東京動物園協会が運営する東京ズーネットの観察記録によると、
春先に落角してから数週間後には新しい角が生え始め、半月後には5センチほどの長さになっていたそうです。
早いときは1日に1cmというスピードで伸びていたこともあったとか!
すごいですよね。人間の髪でも1cm伸びるのに1ヶ月かかります。
その後も鹿の角はぐんぐん成長し、8月中旬頃には伸びるのがストップしたそうです。
鹿の繁殖期が早くて9月頃から始まるので、角の成長もその時期に合わせていると考えられます。
シカの角の落角の時は痛みはありませんが、角の成長段階でかゆみは生じるということですね。
まとめ
今回の記事では「鹿の角の生え変わりはなぜ?時期はいつで痛い・かゆいのか調査!」と題して、鹿の角が生え変わる理由と角が落ちるタイミングについて記事を書きました。
鹿の角が毎年生え変わるには、繁殖期に合わせて立派な角を作り変えるためでしたね。
角はオス鹿だけの特有の武器であり、毎年秋の繁殖期にはその角で闘います。
角が落ちるタイミングは、繁殖期が完全に終わった春先で、落ちてから約半年以内で新しい角が再生するということでした。
毎年角が落ちて何だか可哀想にも思いますが、より立派な角でメスにアピールするための戦略でもあるのですね。
自然界には面白くて不思議な仕組みがいっぱいです!
最後までお読みくださりありがとうございました。
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