日本天然記念物カモシカ(正式名称は日本カモシカ)の汗の色が青いというのはご存知でしょうか?
汗の色が青色ってちょっと不思議な感じですよね。
そもそも動物の汗の色を意識することがなかったので、汗に色があるとは驚きです。
今回の記事では、カモシカの汗の色とその要因について深掘りしていきます。
カモシカの汗がなぜ青色なのか、カモシカの食べ物が影響していることや多汗症という可能性からも探っていきたいと思います。
ぜひ最後までご覧ください。
カモシカの汗が青いのはなぜ?
Wikipediaによると、カモシカは「青い汗をかくと言われている」と書かれています。
古来カモシカは、別名「アオジン」とも言われています。
マタギなどの狩猟するハンターはカモシカを「アオ」という名で呼んでいたそうです。
どちらも「アオ」という言葉が入っており、色の「青」に関係していますね。
昔の人はカモシカを狩猟対象としてよく獲っていたので、カモシカの汗を間近で見ていたのかもしれませんね。
そうして実際にカモシカの汗が青色をしていたため、アオと呼ばれるようになったとも考えられます。
一方で、昔の人は「灰色」を「青色」と表現していたそうです。
アオサギという鳥が青色ではなく灰色をしているのに、「アオ」とつけられているのはその理由からです。
しかし、アオサギの場合は太陽の光の当たり具合では青っぽく見えることもあるので、その身体の色から青いサギ=アオサギという名前が付けられたとも考えられます。
出典元:筆者撮影(2025年1月 浅間山麓の森にて)
カモシカも身体の色は灰色に近い色をしています。
昔の人が灰色を青と呼び、カモシカの身体の色から「アオ」と付けられた可能性もありますね。
いずれにせよ、「カモシカは青い汗をかく」という事は語り継がれているようです。
実際に色の汗をかく動物は他にも存在します。
例えばカバは赤い汗をかくことで有名ですね。
なので、カモシカが青い汗をかくということ自体は不思議なことではないのかもしれんません。
カモシカの食べ物が汗に影響している?
カモシカの食べ物が、汗の色に影響している可能性も考えられます。
汗というのは体に中から表面に出てくる分泌物です。
体内から出るものなので、普段食べているものによって分泌物の色の変化もあるのではないでしょうか。
ということで、カモシカの食べ物について調べてみました。
カモシカは牛科の動物なので完全草食動物です。
カモシカの主な食べ物は、植物の葉や芽です。
その他にも小枝、花、果実、笹、苔などの地衣類を食べることがあります。
カモシカには胆汁に含まれる「ビリベルジン」という緑色素が多く含まれているそうです。
胆汁は肝臓で作られる消化液です。
つまり、カモシカの消化液の中に緑色の成分があるということですね。
その成分の正体がビリベルジンです。
ビリベルジンは酸素を運ぶ赤血球を分解する過程で生まれます。
カモシカは高山を好む動物で、普段から標高の高い場所にいます。
標高が高いということは、酸素も薄くなりますね。
人の身体もそうですが、動物も低酸素になると、体内で酸素を増やそうとなります。
すると赤血球も増え、赤血球を分解するビリベルジンも増加します。
その結果、緑色素のビリベルジンが汗に溶け出してしまうのです。
またビリベルジンは肉食動物よりも草食動物に多く含まれているそうです。
つまり、カモシカの汗に色はビリベルジンの緑色素が大きく関係しているのですね。
高山を好み且つ、草食動物ならではのカモシカの特徴とも言えるでしょう。
カモシカが多汗症である可能性
カモシカの汗が青い理由は、食べ物だけではなく多汗症である可能性も考えられます。
多汗症とは字の通り、通常よりも多く汗をかく症状のことを言います。
野生動物であっても、体温を調整するために汗をかきますよね。
本来汗をかくことは体温調節のために必要です。
しかし、体温調節に必要な範囲を超えて異常に汗をかくことは疾患とみなされています。
多汗症の中には、汗に色がつく色汗症という症状が含まれます。
汗の色は赤、黄色、ピンク、緑、青、黒と様々です。
人間と同じように、カモシカにも同様の症状で汗が青色になっても不思議ではないと言われています。
つまり、カモシカも多汗症で汗が青色になっている可能性もあるということが考えられます。
個人的には、カモシカが多汗症という病気だと心配です。
多汗症である可能性が少ないと良いなとは思いますね。
ただし、カモシカの汗の色が青い原因が多汗症によるものだということは現段階ではっきり分かっておりません。
今後研究が進めば、多汗症の可能性も出てくるかもしれませんね。
まとめ
今回は「カモシカの汗が青いのはなぜ?食べ物や多汗症が関係している?」と題して、カモシカの汗が青いのはなぜかについて、食べ物や多汗症の可能性について記事を書きました。
カモシカの汗が青いのは、ビリベルジンという緑色の胆汁色素が関係していることが分かりました。
カモシカは草食動物で、食べ物や暮らす環境によりビリベルジンを多く含む身体になったと考えられます。
その他にも色の汗をかく多汗症の可能性も考えられますが、はっきりしたこと現段階では分かりません。
いずれにしても、カモシカの青い汗をかくのは間違いなさそうなので一度は見てみたいものです!
最後までお読みくださりありがとうございました。
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