クスノキ科クロモジ属のアブラチャンの木。
日本の山や森でよく見られる落葉低木です。
アブラチャンと聞くと何だか人の名前のようで可愛いですよね。
どうしてアブラチャンという名前が付けられたのか、アブラチャンの名前の由来を調べてみました。
またアブラチャンの匂いや、実は食べられるのかも調査していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
アブラチャンの名前の由来は?
アブラチャンの名前の由来は、樹木や果実に油が多く含まれていることから名付けられました。
アブラチャンを漢字で書くと、「油瀝青」と書きます。
可愛らしい名前と反してなかなか難しい漢字ですね。
日本では人を呼ぶ時に、「〇〇チャン」と言ったりしますよね。
その感覚でアブラチャンもあだ名のような感覚だと思う人も多いみたいです。
アブラチャンの漢字の瀝青(れきせい)とは、石油や天然ガスを意味する言葉です。
コールタールやピッチなど油を練り合わせてできた塗料のことを示します。
昔の人はアブラチャンの油を使って、蝋燭の火を灯す燃料として使っていたそうです。
アブラチャンの幹や枝にも油が多く含まれているので、しなりやすく加工がしやすいようです。
その特性を活かし、冬の時期に雪国で使う輪かんじきとしても利用していたそうです。
輪かんじきとは雪の上を歩くときに、足が沈まないようにするための日本伝統の道具です。
今のスノーシューのような感じですね。
アブラチャンから採れる油の量は椿よりも多いと言われています。
椿オイル同様に、髪の毛につけるワックスとしても使われてきたそうです。
名前の由来の通り、油が多いアブラチャンの木ならではの利用方法ですね。
アブラチャンの匂いは?
アブラチャンの木や果実には特有の匂いがあります。
木を削ったり、果実を割るとツーンとした爽やかな匂いが漂います。
身近なもので例えるなら、夏に使う虫除けスプレーの匂い似ています。
実はアブラチャンが出す匂いには防虫効果があります。
アブラチャンの葉っぱや枝を、虫や動物に食べられないようにするために出している匂いです。
同じような役割をしている木に、サンショウやミカンの木がありますね。
虫や動物にとっては嫌な匂いでも、人間にとっては爽やかな匂いに感じます。
実際にオーガニックの虫除けスプレーに、アブラチャンの精油が使用されているものもあります。
レモングラスやユーカリに近い匂いなので、アロマオイルとしても活躍しています。
私も森の中でアブラチャンを見かけると、枝を擦って匂いを嗅いでます。笑
本当に爽やかで良い匂いがしますよ!
アブラチャンの実は食べられるの?
結論からお伝えすると、アブラチャンの実は食べられません。
アブラチャンの実から採れる油も、燃料としての役割があるため食用ではありません。
アブラチャンの実は9〜10月頃に熟します。
実は直径1.5cmでビー玉くらいの大きさです。
出典元:Wikipedia
夏から秋に黄緑色に熟し、冬前には黒くなります。
果実の中の種は薄茶色で、この種をすり潰して油がとれます。
アブラチャンにような実は種子散布型と言われています。
動物たちに食べてもらって、種を糞として運んでもらう作戦です。
しかし、アブラチャンの実を食べている動物はあまりいないようです。
防虫効果のある匂いも出すので、動物たちにとっても美味しい実ではないのでしょうね。
まとめ
今回は「アブラチャンの名前の由来は?匂いや実は食べられるのか調査!」と題して、アブラチャンの名前の由来や、匂いや実は食べられるのかについて記事を書きました。
アブラチャンの名前の由来は、油を多く含んでいる事からその名が付けられました。
アブラチャンから採れる油は、食用ではなく火を灯すための燃料として古くから利用されてきました。
アブラチャンの実は食用ではないので、食べることはできません。
アブラチャンの木や果実からは、防虫効果のある爽やかな匂いが感じられます。
現代では世の香りの良さから、自然素材の虫除けスプレーやアロマオイルとして利用されています。
一度聞いたら忘れられない可愛い名前のアブラチャン。
見かけたら是非一度匂いも楽しんでみてくださいね。
最後までお読みくださりありがとうございました。
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