木の丸い塊はヤドリギ?どんな木でどう増えるの?面白い生存戦略

植物

木に丸い塊があるのを見たことがありませんか?

特に、葉っぱが落ちる秋から冬にかけてよく見られるかもしれません。

鳥の巣でもなく、木のコブとかかでもない丸い塊。

その正体はヤドリギの可能性が高いです。

この記事では、木の丸い塊はヤドリギかどうか、どんな木でどう増えるかの謎に迫ります。

ヤドリギの面白い生存戦略をたっぷりお伝えしていいます。

ぜひ最後までご覧ください。

木の丸い塊はヤドリギ?

木の丸い塊は、ヤドリギという植物です。

木の上の方に、こんな丸い塊を見たことはありませんか?

木の上の方にあり、一部だったり複数あったりします。

大きさも様々ですが、見つけるのは比較的大きい塊です。

色もよく見ると、緑色をしていて大きなマリモのようにも見えますね。

遠くから見ると丸い塊なのですが、近くで見ると小さな植物の集合体なのです。

これこそが、ヤドリギという植物です。

木の塊と言っても、ヤドリギではなく鳥の巣だったり、動物の住処だったりなんてことも。

例えば、カラスやハトは木の枝を使って巣を作るので、木の上に塊にように見えます。

また天狗洲病(てんぐすびょう)と言って、枝が以上に密生し奇形になる木の病気もあります。

以下の場合はヤドリギの可能性が高いのでチェックしてみてください。

  • 木の高いところにある
  • 落葉樹についている
  • 緑色をしている
  • 近くで見ると植物が集まっている
  • 大きく目立つ
  • 複数個まとまって見られることもある

このような見た目の特徴があればほぼヤドリギで間違いないでしょう。

夏の間は、他の樹木の葉っぱも生い茂っているため、ヤドリギの姿は見つかりにくかもしれません。

一方でヤドリギ自体は一年中光合成をし、緑色をしているので冬はとても目立ちます

なので、秋から冬に木の上を見ると気が付く場合が多いです。

ヤドリギはどんな木?

ヤドリギがどんな木なのか、解説していきます。

ヤドリギはヨーロッパや東部アジアを原産とする寄生植物です。

寄生(きせい)とは、他の生物を利用する生き方です。

ヤドリギは木から栄養をもらいながら、樹木の上で育ちます。

厳密にいうと、半寄生植物と言われています。

自分でも光合成をしながら栄養を補っているので、半分は自分の力で半分は木の力を借りるというわけです。

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ヤドリギの特徴を簡単にまとめてみました。

植物名ヤドリギ
漢字宿木、寄生木、宿生木
英名mistletoe
ヤドリギ属
ビャクダン科
2~3月。うすい黄色の花が咲く。
葉 対生。長さ3~8㎝。
節があり2~3に分かれて,扇状に伸びる。
直径7㎜で球形。
11~12月にうすい黄色に熟す。
粘り気がある。

ヤドリギの寄生先(どの木から生えるか)はある程度決まっているようです。

寄生先の木のことを宿主(やどぬし)と言います。

例えば、ヤドリギの宿主にはエノキ・ケヤキ・サクラ・ブナなどがあります。

比較的大形の落葉広葉樹に多い印象ですね。

ヤドリギはどう増える?

ヤドリギはどう増えるかについて解説します。

ヤドリギはその名の通り「木に宿る木」です。

なので決して地表に生えることはありません

多くの植物と同じくヤドリギも植物なので、種子で増えます。

しかしヤドリギの種子は地面に落ちたら生きられないので、生き残るためには寄主の枝や幹に種子をくっつけないといけません。

では、どうやって種をくっつけるのでしょうか?

ヤドリギにはそのための、ある巧妙なしかけがあるのです。

そのしかけこそが、ヤドリギの種に含まれているネバネバの粘り気です。

実の中には種子が1個入っていて、粘りけのある透明な果肉に包まれています。

こんな感じです。


例えば、ヤドリギの実を鳥が食べると、種子は消化されずに糞といっしょに出てきます

このとき種子の周囲のネバネバが、納豆のようにビヨーンと伸びてぶら下がります。

そして、そのまま風に揺られて近くの枝にくっつくのです。

私も実際に触った時は、手にくっ付いたら簡単には落ちないくらい粘り気がありました。

枝にくっついた種子は、そこから発芽し、根を生やして成長していきます。

このようにして、ヤドリギは地面に落ちることなく枝から枝へと運ばれ増えていくのです。

鳥まかせ、風まかせ、木まかせなヤドリギですが、実に面白い生存戦略だと思います。

まとめ

今回は「木の丸い塊はヤドリギ?どんな木でどう増えるの?面白い生存戦略」と題して、木の丸い塊はヤドリギかどうか、どんな木でどう増えるか面白い生存戦略について記事に書きました。

木の丸い塊は、ヤドリギである可能性が高いです。

ヤドリギは、樹木の栄養を取り入れながら成長する寄生植物です。

ヤドリギは種子で増えますが、地表に落ちると生えません。

そのため、種子の周囲には粘り気があり、枝にくっつくようになっています。

ヤドリギの実を食べた鳥が糞として種を出し、枝に付着し発芽する仕組みです。

このような増え方は非常に珍しく、ヤドリギの面白い生存戦略とも言えるでしょう。

木の丸い塊を見かけたら、ヤドリギの可能性があると思ってぜひ観察してみてください。

最後までお読みくださりありがとうございました。

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