シマエナガはなぜ北海道にしかいないの?理由や生態を徹底調査!

鳥類

北海道で見られるシマエナガは、白くて小さくてふわふわのまるまるした鳥で人気です。

その姿から「可愛い!」と、シマエナガグッズも沢山売られています。

そんなシマエナガですが、なぜシマエナガは北海道にしかいないのでしょうか?

本州・四国・九州では見られないのでしょうか?

今回の記事では、なぜ北海道にしかいないのかの理由とシマエナガの生態について調査してみました。

ぜひ最後までご覧ください。

シマエナガは北海道にしかいないの?

結論からお伝えすると、シマエナガは北海道のみにしか生息していません。

ウィキペディアによると、シマエナガは「北方系の亜種」と記載されています。
(亜種については後述していますのでそちらをご参照ください。)

シマエナガが本州の一部でも「迷鳥」として観察されたことがあるそうです。

しかし、本州での繁殖は確認されていないので生息地は北海道のみと言えるでしょう。

迷鳥(まよいどり・めいちょう)とは、何らかの特殊な事情で飛来してきた鳥のことを指します。

本来は別の場所が生息地です。

季節によって移動し生息地を変える、渡鳥(わたりどり)に多く見られるようです。

渡鳥の身近な具体例でいうと、ツバメですね。

ツバメは春から夏にかけて日本に渡ってきて子育てをします。

秋から冬になると、フィリピンやマレーシアなどの暖かい東南アジアで過ごします。

数千キロもの長距離を渡ってくるのですから、時たま迷子になってしまうこともありますよね。

シマエナガは渡りをしない鳥、いわゆる留鳥(りゅうちょう)です。

留鳥は、基本的には決まった地域で一年過ごします。

それでも稀に悪天候などで、風に飛ばされたりして迷鳥になることもあるそうですよ。

空を自由に移動できて羨ましい限りですが、台風や強風という自然の猛威には敵わないのですね。

シマエナガが迷鳥になったら、ちゃんと元の場所に帰れるのでしょうか?

鳥は基本的に太陽や星を指標にして移動していると言われています。

視覚も人より優れているので、自力で元の生息地に帰ることはできます。

本州で迷鳥になったシマエナガも、本来の生息地である北海道にちゃんと戻っているはずですね。

ではなぜ北海道にしかいないのでしょうか?

別の言い方をするとなぜ北海道でしか生きられないのか?

このことについて次で書いていきますね。

シマエナガはなぜ北海道にしかいない?理由と生態

シマエナガが北海道にしかいない理由は2つあります。


1つ目の理由は、北海道独自の自然環境です。
2つ目の理由は、ブラキストン線です。

それぞれの理由について詳しく解説していきます。

理由①北海道独自の自然環境

一つ目の理由が、北海道独自の自然環境があるからです。

北海道には、厳しい冬でも生き延びてきた独自の生き物がたくさんいます。

シマエナガもその一種であると言えます。

シマエナガは北海道という寒さが厳しい場所で、生きていくことができるように進化をしてきた野鳥だということですね。

シマエナガが進化したと分かる特徴が3つあります。

  • シマエナガの色
    シマエナガは顔も身体も真っ白なのは、敵から身を守るためです。
    雪の多い北海道では、白以外の色は目立ってしまいますよね。
    白なら雪そのものに見えます。
  • シマエナガの羽毛
    シマエナガの他の鳥より分厚い羽毛があります。
    これは寒い冬を乗り越えるための防寒着です。
    冬に間は羽毛の中に空気を取り込み、ダウンのような機能を備えます。
  • シマエナガの大きさ
    シマエナガの大きさは約14cmほどです。
    とても小さいですね。
    小さな身体を活かしてエネルギーを最小限に抑えて効率的に餌探しができます。

シマエナガの3つの特徴からも、寒さが厳しい北海道に適した野鳥だと言えるでしょう。

理由②ブラキストン線

二つ目の理由が、北海道と本州の境にブラキストン線があるからです。
(下の画像の赤丸のところです。)

ブラキストン線の画像

出典元:Wikipedia

このブラキストン線こそが、動物達の分布境界線でもあるのです。

ブラキストン線を境に動物の種類が大きく異なります。

例えば熊であれば、北海道にはヒグマ、本州にはツキノワグマが生息しています。

キツネであれば、北海道にはキタキツネ、本州にはホンドギツネがいるといった感じです。

本州から地理的に隔離された北海道では、ブラキストン線を境に生き物も独自の進化を遂げたということです。

シマエナガも独自の進化を遂げた鳥なんですね。

シマエナガの仲間は本州にもいる

シマエナガの仲間は本州にも生息しています。

本州にいるのは、シマエナガという名前ではなく「エナガ」です。

エナガとシマエナガの違いは「種」か「亜種」かの違いです。

「種」は生き物を分類する時に使われる基本的な単位です。

「亜種」とは同じ種でも地域により色や形に違いがみられたり、地域間で「別の集団だよ」と認められる場合につけられる単位です。

エナガもシマエナガも仲間としては同じエナガだけど、シマエナガは北海道のみに生息するので「亜種のシマエナガ」と区別されているということです。

ややこしいわ!と思ったそこのあなた、安心してください。笑

よく見ると模様が違うので、見た目でもエナガかシマエナガか判断できます。

一番特徴的なのが、顔面です!

シマエナガは雪だるまような真っ白いお顔です。

一方で、エナガは目の上に黒い眉毛が伸びた模様があります。

シマエナガはその見た目から「雪の妖精」とも言われています。

顔面があまりにも可愛いと話題になりました。

その反響もあってか昨今では、シマエナガをモチーフにしたグッズが大ブレイクしていますよね。

本州のエナガはキリッとした眉があるような模様なので、顔の違いは一目瞭然です。

本州のエナガと北海道のシマエナガの特徴を知っておくと、いざ出会ったという時に観察が楽しくなりますよ!

日本野鳥の会の公式Xに投稿されていたシマエナガの動画をご紹介します。

雪の妖精と言われる白いお顔が見られますよ^^

シマエナガの動きが早いので集中して見てくださいね!

まとめ

今回は「シマエナガはなぜ北海道にしかいないの?理由や生態を徹底調査!」と題して記事にしました。

シマエナガは北海道にしか生息していない小さな野鳥です。

ごく稀に本州でも見かけることはあっても、迷って来てしまった迷鳥の可能性が高いです。

シマエナガが北海道にしかいない理由は、北海道の自然環境と、ブラキストン線が関係しています。

シマエナガは北海道でしか見られません。

一方で、同じ種の仲間であるエナガは本州にも生息しています。

どちらも小さくまるまる可愛い野鳥です。

一年中出会えるチャンスはあるので、ぜひ見つけたいですね!

最後までお読みくださりありがとうございました。

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